【2023年3月版】10分でわかる「医療DX令和ビジョン2030」概要とは?

公開日: 2023-07-06

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?

経済産業省はDX(デジタルトランスフォーメーション)について以下のように定義していますが、公共性の高い医療業界では「競争上の優位性の確立」の重要性は低く、「データとデジタル技術の活用」への対応することが、より重要視されます。💡 「DX推進ガイドライン」(2018年12月、経済産業省) ※現在は「デジタルガバナンス・コード2.0」に統合 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 💡 「『DX 推進指標』とそのガイダンス」(2019 年、経済産業省) 「DX は、本来、データやデジタル技術を使って、顧客視点で新たな価値を創出していくことである、そのために、ビジネスモデルや企業文化などの変革が求められる」

医療業界のDX推進の背景

政府は、医療業界においても、電子カルテやWEB問診、電子処方箋、オンライン資格確認など医療DXの推進に注力しています。その理由として、以下の3つの背景があります。

利用データの利活用と感染症対策

とくに医療データの利活用・デジタル化の遅れは、データ収集や保健所を含めた医療機関の連携への影響が大きく、医療現場の混乱を招く原因となっていました。新たな感染症対策は、政府が医療DX推進を急ぐ理由のひとつです。

「医療DX令和ビジョン2030」とは?

「医療DX 令和ビジョン2030」は、政府の「骨太方針2022」に盛り込まれた医療DXの推進方針です。

「医療DX令和ビジョン2030」3つの柱

「医療DX令和ビジョン2030」では「3つの柱」として以下が挙げられています。

「全国医療情報プラットフォーム」

「オンライン資格確認等システム」のネットワークの発展・拡充によって、レセプトや特定健診、予防接種、電子処方箋、自治体検診、電子カルテなどの医療全般の情報を共有・交換できるプラットフォームです。マイナンバーカードの電子署名活用による同意書や承諾書のデジタル化や、患者本人による情報の閲覧、患者本人同意の下での医師や薬剤師との情報共有などによって、患者の利便性の向上と診療や治療の質の向上につながります。

「全国医療情報プラットフォーム」 ~参考~

引用:厚生労働省 第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料について 【資料1】医療DXについて[PDF形式:2.8MB]

「電子カルテ情報の標準化、標準型電子カルテの検討」①

「電子カルテ情報の標準化」は、交換する標準的なデータ項目や電子的な仕様を定め、「HL7 FHIR」を国としての標準規格とするものです。2022年4月に下記の3文書・6項目を厚生省標準規格として採択。今後、医療現場での有用性を考慮して標準規格化の拡張を推進する方針です。

「電子カルテ情報の標準化、標準型電子カルテの検討」②

しかし、電子カルテや「HL7FHIR」を導入していない医療機関では情報連携ができないため、電子カルテそのものの標準化を推進する「標準型電子カルテの検討」も提言されています。「標準型電子カルテ」の導入を2026年までに80%、2030年までに100%とする目標が掲げられ、補助金など施策のほか、「以下4点についても検討する」とされました。

「診療報酬改定DX」

「診療報酬改定DX」は、デジタル時代に対応した診療報酬やその改定に関する作業を大幅に効率化し、SE人材の有効活用や費用の低減化を目指すものです。

政府提言によるメリット

「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテの規格標準化」「診療報酬改定DX」という3つの骨格からなる医療DXにおいて、自民党提言では、以下のメリットが提示されています。

「医療DX令和ビジョン2030」のメリット(医療機関)

「医療DX令和ビジョン2030」には、医療機関と患者の双方にさまざまなメリットがあります。

「医療DX令和ビジョン2030」 のメリット(患者)

「医療DX令和ビジョン2030」には、医療機関と患者の双方にさまざまなメリットがあります。

まとめ

「医療DX令和ビジョン2030」では、情報連携の範囲は地域から全国へ、連携対象は病院・クリニック・調剤薬局から自治体・介護施設などへと拡大されるため、ほかの医療機関からの紹介の機会も増えるなど、収益面においても大きく変化することが予想されます。「全国医療情報プラットフォーム」に参加するには、まず医療機関がデジタル対応していることが前提となります。この機会に、デジタル対応の見直し・新規ツールの導入による業務効率化を検討されてはいかがでしょうか。