ユビー生成AIインタビュー500床〜九州・沖縄

国立大学法人琉球大学 琉球大学病院

CRCのレジストリ登録効率が2.33倍に!琉球大学病院が2時間の文書作成を10分に短縮した圧倒的成果

公開日:2026/5/18

CRCのレジストリ登録効率が2.33倍に!琉球大学病院が2時間の文書作成を10分に短縮した圧倒的成果

既存AIツールの限界を超えるべく「ユビー生成AI」を導入した琉球大学病院。CRC業務効率が2.33倍に向上し、23ページのFAX処理が約2時間から5〜10分に短縮。全科展開を加速させ医療DX推進を目指しています。

琉球大学病院は、医師の働き方改革と医療の質向上を両立させるため、最先端のデジタル技術を積極的に導入しています。その中核を担うのが、高度なカスタマイズ性と信頼性を備えた「ユビー生成AI」です。今回、診療情報管理センターの平田氏と山本氏、そして臨床現場で活用を推進する赤嶺医師の3名に、導入の経緯や具体的な成果、さらにはAIがもたらす医療の未来像についてお話を伺いました。

導入前の課題
  • 医師の働き方改革への対応として文書作成や事務作業の効率化が急務であり、診療記録の質のばらつきが医療安全上の課題となっていた。
  • 先行導入した生成AIツールはプロンプトの自由度が低く、現場の高度なニーズに応えられなかったため、院内での活用が普及しきれずにいた。
  • 厚労省の補助金要件に伴うタイトなスケジュール(実質1ヶ月未満)の中で、短期間で確実に成果を出せる汎用性の高いシステムの選定が求められた。
導入の決め手
  • テンプレートやプロンプトの自由度が非常に高く、初心者からエキスパートまでが専門領域に合わせてワークフローを自らカスタマイズできる柔軟性を評価した。
  • 医療に特化したプラットフォームであることに加え、Googleからの出資など将来的な進化とセキュリティ面での信頼性が期待できる背景を重視した。
  • 九州大学病院への実機見学を通じた運用の具体イメージの構築や、現場の要望を即座に機能へ反映するユビー社との迅速な開発・サポート体制を信頼した。
導入後の結果
  • CRC(治験コーディネーター)のレジストリ登録効率が1時間あたり1.85件から4.31件へと2.33倍に向上し、業務負荷と精神的ストレスが大幅に軽減された。
  • 強力なファイル認識機能により、従来は約2時間を要していた23ページの外部資料(FAX)からの文書作成が、わずか5〜10分へと劇的に短縮された。
  • IC記録の文字起こし活用で1件あたり約20分の時間を創出したほか、監査テンプレートの活用により診療録監査の精度とスピードが飛躍的に向上した。

ユビー生成AIの導入背景・目的

働き方改革の負担軽減とセキュアな環境整備

──以前導入したAIツールでは現場のニーズに応えきれなかったというお話ですが、働き方改革の期限が迫る中で、具体的にどのような現場の負担が深刻化していたのでしょうか。

当院では医師を中心とした、電子カルテ操作や事務作業の効率化が最大の課題となっていました。以前、別の生成AI製品を先行して導入したことがありました。しかし、そのツールはあらかじめメーカー側が定義したプロンプトしか使用できず、ユーザー側での微調整やカスタマイズが一切不可能な「定型」の仕組みだったのです。AIの一番の強みは、個別の文脈に応じた柔軟なアウトプットにあるはずですが、その良さが完全に封じられていました。結果として、初心者には一定のガイドにはなっても、高度な処理を求めるエキスパートの医師たちからは「使い勝手が悪い」「物足りない」と敬遠され、普及は月間100件程度で頭打ちになってしまったのです。そして当時は、令和6年度から開始される「医師の働き方改革」への対応が待ったなしの状況でした。診療記録を監査する立場から見ると、医師が多忙を極めるあまり、退院サマリーなどの記載が不十分になる「医療の質のばらつき」も看過できない懸念事項でした。文章の精度が低ければ、それはそのまま医療安全のリスクに直結してしまいます。

──導入にあたっての期限も厳しかったと伺っています。

厚労省の補助金に関連して「数ヶ月で成果を出す」という厳しい期限も課せられていました。実質的には、選定から準備まで1ヶ月足らずという極めてタイトなスケジュールです。その中で、手術管理や薬剤管理といった他の候補と比較し、最も汎用性が高く、目に見える効果を即座に期待できるソリューションとして、自由度の高い「ユビー生成AI」の採択を急いだという背景があります。

──臨床医の立場からは、どのような作業が負担となっていましたか。

カルテレビューにおいて、例えば特定の症状や喫煙歴の有無を確認するといった作業は、時系列の異なる膨大な記録を端から読み直す必要があり、非常に工数がかかっていました。数十項目におよぶ情報をカルテから探し出し、目視で確認し続けるというレガシーな作業が、本来集中すべき診療や研究の時間を圧迫する大きな要因となっていました。

ユビー生成AI導入の決め手

現場主導のプロンプトの自由なカスタマイズ性

──数ある生成AIソリューションの中で、「ユビー生成AI」を選定された決め手は何だったのでしょうか。

導入の決め手は、プロンプトやテンプレートを現場のスタッフが自由に編集・改善できるという、圧倒的な自由度と柔軟性でした。これは以前導入したツールの失敗から学んだ、最大の教訓でもあります。あらかじめ決められた定型機能を提供するだけでは、医師の探究心や各診療科特有のニーズに応えることは困難です。実際に九州大学病院へ見学に伺い、運用の実態を確認したことも大きかったですね。当院と電子カルテの種類は違っても、現場の医師が自らテンプレートを創出し、使いこなしている姿を見て「これなら我々の技術力で十分に運用を最適化できる」と確信しました。また、「ユビー生成AI」はセキュアなクローズド環境での運用が可能であり、Google社が出資しているという背景も将来の進化を期待させる大きな安心材料となりました。加えて、ユビー社の担当者の迅速なサポート体制も決め手の一つでした。現場からの要望を伝えると、例えば「テンプレートの複製機能」などが即座に実装されます。こうした柔軟な対応力と、「書けばAIが後処理を楽にしてくれる」という手応えを具体的に提示できたことが、導入の決定打となりました。

生成AIの導入効果

レジストリ登録効率を2.33倍に向上、2時間の作業を5〜10分に短縮

──「ユビー生成AI」の導入により、具体的にどのような結果が得られましたか。

想像以上に目覚ましい成果が得られました。劇的な変化が見られたのは、第3内科で実施している弁膜症レジストリ登録業務です。膨大な電子カルテの中から特定の情報を目視で探し出すCRC(治験コーディネーター)の業務において、1時間あたりの処理件数が、導入前の1.85件から4.31件へと、約2.33倍に向上しました。AIがカルテ内の非構造化データから必要な情報を抽出し、構造化されたチェックリスト形式で出力する独自のワークフローを構築したことで、目視確認に伴う精神的・時間的負荷が大幅に軽減されました。また、日常診療におけるインフォームド・コンセント(IC)の記録作成においても、音声の文字起こしと要約ワークフローによって、1件あたり約20分の時間を短縮できており、医師が患者さんと向き合う時間に集中できる体制が整いつつあります。

──診療情報管理や教育、リハビリ等のチーム医療の観点での変化はいかがでしたか。

管理・事務部門においても、実務に即した具体的な成果が出ています。ファイル認識機能により、緊急転送時などに外部から届く23ページにおよぶFAX資料からのカルテ入力作業が、従来の約2時間から5〜10分程度に短縮されました。また手書きのお薬手帳をスマホで撮影して即座に履歴を参照できるようにするなど、多様なアナログ情報の処理負担軽減にも貢献しています。医事課が救急加算の算出根拠の査定を自動化したり、リハビリ部門が独自の帳票をファイル認識で読み込ませて校正・要約したりするなど、様々な部署で現場主導の活用が広がっています。研究面では、ゲノム検査の結果といった紙の外部データをPDF化して一括で表形式に変換できるようになり、データ蓄積のスピードが飛躍的に高まりました。AIが提示した情報を医師が吟味し、承認するプロセスを経ることで、効率化と同時に医療の質の担保を両立させています。

今後、ユビー生成AIに期待すること

臨床・研究の高度化と、医療のパートナーへの進化

──具体的には、今後どのような分野での貢献が期待できますか。

臨床研究の面では、単に人間が読むためだけではない「AIが再利用するためのサマリー」の構築を模索しています。日々の経過をまとめた「ウィークリーサマリー」をAIに作成させ、それを蓄積することで退院サマリーや研究用データベースが自動構築される仕組みです。将来的に、AIが書類を作成し、別のAIがルールとの齟齬をチェックするプロセスが確立されれば、属人化されていた意思決定も自動化できる可能性があります。今はテキスト情報の処理が中心ですが、今後は音声・画像・動画までをひとつのモデルで判断する「マルチモーダル」な時代が必ず来ます。今できる活用を一つひとつ積み上げ、将来的に高度なモデルが登場した際にスムーズにその技術を享受できる「使いやすいシステムの土台」を今から整えておくことが重要です。

──病院全体の運用としては、どのような活用を構想されていますか。

今後は特定の診療科に留まらず「全科展開」を加速させていくことが重要です。まずはどの診療科でも導入しやすい「問診パッケージ」等を通じて、全職員が当たり前のように生成AIを使える環境を構築したいと考えています。私たちが構想している未来は、AIが電子カルテの横でリアルタイムに医師をサポートする姿です。「記載にこの要素が足りない」「請求要件を満たしていない」といった助言を行うことで、事務作業の軽減と質の担保を同時に実現することを目指しています。また、蓄積されたデータは将来、災害時の診療を支える貴重なバックアップとなり、さらには法令の範囲内での第三者利用を通じて、社会全体の医療の質を向上させる価値にも繋がっていきます。

──今後の展望や、これから導入を検討している医療機関へのアドバイスをお願いします。

導入を迷われているのであれば「まずは使ってみること」を強くお勧めします。このサービスはUIが非常に優れており、他社の生成AIを日常的に使用している方であれば、支障なく適応できるはずです。現場の負担感が高い業務から着手し、小さな改善を積み重ねていくことが、活用の定着に向けた現実的なアプローチだと考えています。もし導入や活用方法で迷われることがあれば、ぜひ当院の実体験を参考にしていただければ幸いです。まずは最初の一歩を踏み出し、新しい技術を活かし現場の課題を解決する「良き相棒」として育てていきましょう。

お話を伺ったのは…

  • 平田 哲生 氏副病院長 / 診療情報管理センター長 / 患者支援センター長 / 医療情報部長
  • 山本 俊成 氏医療情報部 副部長 / 診療情報管理センター 副センター長 / 医療DX担当
  • 楠瀬 賢也 氏病院長補佐 / 循環器・腎臓・神経内科 科長
  • 赤嶺 博行 氏循環器・腎臓・神経内科
楠瀬 賢也 氏(琉球大学病院 病院長補佐 / 循環器・腎臓・神経内科 科長)、赤嶺 博行 氏(琉球大学病院 循環器・腎臓・神経内科)
平田 哲生 氏(琉球大学病院 副病院長 / 診療情報管理センター長 / 患者支援センター長 / 医療情報部長)、山本 俊成 氏(琉球大学病院 医療情報部 副部長 / 診療情報管理センター 副センター長 / 医療DX担当)

病院紹介

国立大学法人琉球大学 琉球大学病院

国立大学法人琉球大学 琉球大学病院

琉球大学病院は、沖縄県唯一の特定機能病院として高度な医療を提供する、日本最南端・最西端の大学病院である。2025年1月に宜野湾市の西普天間キャンパスへ新築移転した。同院は「病める人の立場に立った、質の高い医療を提供するとともに、地域・社会に貢献する優れた医療人を育成する」という理念を掲げている。地域医療水準の向上や長寿県沖縄の復活を目指し、沖縄の健康医療拠点の中核を担っている。

所在地
沖縄県宜野湾市字喜友名1076番地
設立
昭和40年
代表者
病院長 鈴木 幹男
病床数
620床(ICU 16床・NICU 9床・GCU 12床・E-ICU 10床・E-HCU 10床)
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