南部徳洲会病院
「DXのイメージ描けず」から始まった、全職種の業務改革と記録の質向上
公開日:2026/3/24

DX推進のイメージが描けず一歩踏み出せなかった南部徳洲会病院が他院視察を転機に全院導入。音声入力の活用で年間2,400時間の業務時間を創出するなど、全院的な業務改革を実現した。
DX推進の必要性は感じながらも、具体的なイメージが描けず一歩踏み出せなかった南部徳洲会病院(357床)。他院への視察を転機にUbieを全院導入し、スモールスタートから現場主導で活用を広げることで、音声入力の活用で年間2,400時間の業務時間を創出するなど、全院的な業務改革を実現した。
- ●DX推進のイメージが描けず一歩踏み出せない状況からの脱却
- ●音声入力・情報整理・思考支援の3軸で全職種の業務を変革
- ●「思い出して書く」作業を排除し患者と向き合う時間を創出
- ●音声要約で年間2,400時間の業務時間を創出
- ●IC記録業務を60%削減(2.5時間→1.0時間)
- ●診断書・意見書の作成件数が4.5倍(月13件→55件)に増加
DX化構想はあっても、具体策に踏み出せなかった経営層
南部徳洲会病院では2023年初期から上層部でDX化の必要性が議論されていた。しかし「AI問診などの導入」を検討する中で、具体的に何をどう変えれば良いのかイメージが持てず、なかなか決断に至らなかった。転機となったのは2023年夏、看護部長とシステムエンジニアが他のUbie導入病院へ視察に赴いたこと。実際に稼働する生成AIの現場活用を目の当たりにした両者は「革命的な技術」と衝撃を受け、その報告を受けた院長が同年秋に導入のGoサインを出した。課題は「知らないこと」ではなく「見えていないこと」であり、視察という具体的な体験が意思決定を動かした。
Ubieの3つの使い方で、全職種の業務を変える
院内全体への展開にあたり、Ubieの活用を「音声入力」「情報整理」「思考支援」の3つの軸に整理した。音声入力では、IC記録・問診・回診記録・委員会議事録など、会話をそのままデータ化することで「思い出して書く」作業を排除。情報整理では、デイリーチャート・看護サマリー・紹介状・診断書作成など、記載の質と粒度の標準化に活用。思考支援では、入院アセスメント・ケアプラン立案・研修医へのフィードバックなど、若手からベテランまで「思考の壁打ち相手」として機能している。医師・看護師・メディカルクラーク・コメディカルと職種を問わず活用が広がり、月間利用数は6,000件以上に達している。

看護師の情報収集業務を効率化
導入前、看護師は始業前に電子カルテを個人で確認する習慣が常態化しており、情報収集が属人化していた。「早く来ないと不安」という心理的プレッシャーから前残業が横行し、時間外勤務が慢性的に発生していた。こうした課題に対し、Ubieを活用した情報収集・整理の仕組みを導入。始業前に必要な情報をUbieが整理・要約することで、看護師が「見る・考える」ことに集中できる環境づくりに取り組んでいる。「朝に追われない」という現場感覚の変化も生まれており、業務効率の改善とともに、精神的な働きやすさの向上にもつながっている。
音声入力・情報整理で記録業務の質と速度を変革
Ubieは医師・メディカルクラーク・コメディカルを含む全職種に展開され、「音声入力」「情報整理」「思考支援」の3つの活用軸で業務を変えた。特にIC記録(インフォームドコンセント記録)への活用は大きな成果を上げており、心臓血管外科では1件あたり2.5時間かかっていた記録業務が1.0時間へと60%削減された。また音声要約による業務時間創出は月200時間(年間2,400時間)に達し、医師・看護師が本来注力すべき診療や患者ケアに集中できる環境が整いつつある。メディカルクラークへの効果も顕著で、診断書・意見書の作成件数は導入前の月13件から55件へと4.5倍に増加。情報提供書の作成日数も1.75日から1.30日へと26%短縮された。
スモールスタートから始まる、思考と創造のための医療DX
Ubieの院内展開は、総合診療科へのデモからスタートし、プロンプトの整備と翻訳を重ねながら全職種へと拡大している。事務的な記録作業から解放された医師は、学会発表・院内教育・他院との勉強会など「思考と創造」に時間を使えるようになった。しかし同院が最も大切にしているのは、AIとの向き合い方そのもの。AIは考えなくていい道具ではなく医療者が考え・教え・向き合うためのパートナーと捉え、医療の質を底上げするための手段と位置付けている。スモールスタートで始め、現場の声を拾いながら使い続けることこそが、持続的な変革につながっている。
病院紹介
南部徳洲会病院

沖縄県島尻郡に位置する357床の急性期病院。音声入力・情報整理・思考支援の3軸でUbieを全職種に展開し、年間2,400時間の業務時間を創出。「AIは本来の仕事を取り戻すための技術」という理念のもと、人間とAIの最適なタスクシェアを実践している。
- 所在地
- 沖縄県島尻郡八重瀬町字外間171番地1
- 設立
- 昭和54年
- 代表者
- 院長 服部 真己
- 病床数
- 357床(一般357床・回復期リハビリテーション病棟41床)
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