松波総合病院
生成AI×DWH連携で業務効率化と病院経営改善を実現
公開日:2026/3/26

生成AIとDWHを統合した独自の医療データ連携基盤「GAID」を構築した松波総合病院。医療文書自動生成による全職種の負担軽減と、AI-DPC自動コーディングによる請求業務の最適化を両輪に、業務効率化と経営改善を同時に実現した。
生成AIとDWHを統合した独自の医療データ連携基盤「GAID(Healthcare Data Platform Integrating Generative AI and DWH)」を構築。各種サマリー・紹介状などの医療文書自動生成による全職種の負担軽減と、AI-DPC自動コーディングによる請求業務の最適化を両輪に、業務効率化と経営改善を同時に実現した。
- ●院内診療データのDWH一元統合と生成AIの連携基盤構築
- ●全職種へのマウス操作だけで使える医療文書自動生成の展開
- ●AI-DPCコーディングによる病院経営の最適化
- ●看護師による退院日時決定率が25%から87%へ(+62pt)
- ●急性期病棟稼働率が84.1%から97.5%へ向上
- ●DPCコーディング最適化で年間数千万規模の収益改善見込み
生成AI-DWH連携で独自の医療データ基盤を構築
電子カルテ・医事・部門システム、DPC関連ファイルなど院内の診療データをDWH(JUST DWH)に一元統合し、Ubie生成AIと連携させた独自の医療データ基盤「GAID」を構築。日次・月次等でデータを自動取得しダッシュボードで可視化するとともに、データ連携は、DWHタスク、RPAとWeb APIによる自動化で職員の手作業を排除。国内Google Cloud閉域網を活用した安全な環境で、全職種が電子カルテPCから生成AIを利用できる体制を整えた。
DWHを中心としたデータ統合と取り込みタイミング

生成AI-DWH連携基盤(GAID)

GAIDが変えたのは、医療現場の働き方
生成AI-DWH連携基盤GAIDによって実現した「患者ナビ」では、入院患者の診療記録を生成AIから利用可能とし、マウス操作のみで各種サマリー・紹介状等の医療文書を速やかに生成する。医師、看護師、リハビリを含む文書作成補助だけでなく、医師事務作業補助者は、患者ナビを使い、退院前日に未記載患者の退院サマリーの下書きを代行し、医師が確認・修正する運用を2026年1月から開始している。またAI-OCRによる紹介状や問診票のテキスト化、音声認識を使った診察やインフォームドコンセント記録、議事録の作成など、マルチモーダルなUbie生成AIの活用によって、現場の記録業務は大きく変化している。
ベッドコントロール最適化への取り組み
PFMセンターを中心に、救急車原則応需、早期退院/転棟、午前退院、看護師による退院日時の設定、入退院・転棟予定の可視化等に取り組み、看護師による退院日時決定率は25%から87%(+62pt)に、急性期病棟稼働率は2022年度の84.1%から2024年度には97.5%へ、救急車受入台数は年間3,343台から4,267台(+924台)に増加。救急車不応需数は390台から141台へと64%削減され、平均在院日数の短縮、特にDPC期間Ⅱ以内の退院・転棟をめざす取り組みが進んでいる。
ダッシュボードで可視化

AI-DPC自動コーディングで経営改善
Ubie生成AIを活用したAI-DPC自動コーディングは、DWH上の電子カルテデータ・医事情報を取得し、生成AIと独自アルゴリズムによってDPCコーディングを毎日実行する。コーディング結果に基づき、DPC期間Ⅱ終了日・残日数・点数をDWHダッシュボードに表示しており、多職種で入院早期から退院目標を共有し、病床確保につなげている。2025年7月の469人での検証では、請求コードをAI提示により収益増へ変更した場合の差額は450,000点/469人であり、年間では数千万規模の収益増につながりうる。
DPCサポーターが可能にした入院早期からのコーディング運用
同院では、入院第2病日までの医師によるDPCコード入力をルールとしていたが、日常診療の業務負荷が大きく、実際には退院時・月末まで対応が後回しになるケースが常態化していた。DPCサポーターの導入により、AIがDPCコードを自動出力することで、ベッドコントロールに活用できる「入院早期のコーディング」を実現した。この運用を基盤に、2026年から医師事務作業補助者が「入院第3病日」と「DPC期間Ⅱ終了の2日前」のタイミングで、退院予定が未設定の患者を対象にDr2GOの患者チャット機能で退院目標を通知する運用を開始。医師・看護師・薬剤師・事務職など多職種が入院早期から退院目標を共有し、病床確保とベッドコントロールの改善をめざしている。
病院紹介
松波総合病院

岐阜県羽島郡に位置する501床の急性期病院。生成AIとDWHを統合した独自の医療データ連携基盤「GAID」を構築し、医療文書の自動生成とAI-DPC自動コーディングを両輪に業務効率化と経営改善を推進。年間数千万規模の収益改善見込みを実現している。
- 所在地
- 岐阜県羽島郡笠松町田代185-1
- 設立
- 明治35年
- 代表者
- 理事長:松波 英寿 / 病院長:松波 和寿
- 病床数
- 501床(急性期322床、地域包括ケア60床、回復期リハ60床、障害者59床)
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